感動の「楳図かずお大美術展」

念願だった楳図かずお大美術展に行ってきました

文字が読めるようになった幼稚園の頃から
手塚治虫の漫画は読んでOKだったので

父の本棚にある火の鳥やブッダ、きりひと讃歌などの
大人が読んでも滅入るような漫画を
読んで育ったのですが

そんな私が小学1年生ぐらいに
お友だちのお姉さんの本棚にあった
楳図かずおの「へび女」「へび少女」シリーズに
出会って衝撃を受けました

「手塚治虫より天才がいたのか…」
それが楳図かずお画伯です


漂流教室は素晴らしい作品で
よく予言の書みたいに言われたり
映画化やドラマ化されるほど人気もありますが
今、読んでも圧倒されます

これを未来に明るい希望に満ちあふれた高度成長期に
描かれたことが、本当に偉大で
孤高の天才だなぁと感じていました

その理由がこの展覧会に行って分かり
少し謎が解けた気がしました


わたしは真悟の作品をモチーフにした
現代作家さんの作品があり

展覧会は六本木ヒルズの展望スペースでもあるので
その背景に東京タワーが見えて
背景が東京という共響性がユニークでした

会場では「私は真悟」の続編のカラーアクリル絵画が
100点以上、展示されていました

2017年から4年間かかった力作で
楳図先生にとっては27年ぶりの新作制作とのこと

なんと逆算すると
80歳超えてからの制作になるのですが
そんな老人が描いているとは思えないほど
ビックリ仰天するほど力強い絵で

とにかく絵が上手すぎて、目からエネルギーなのか
強烈なメッセージなのか、エナジーみたいなのが入ってきて
凄まじかったです

展覧会は若い人がたくさんいて

パッと見ても、私は最古参でした

若い親が小さな子どもを連れてきて
一生懸命、説明して教えている姿もたくさんあって、
若い人のほうが感性が高く、優秀なんだなーと思いました

もしかしたら私たち含めた上の世代
高度成長やバブルを経験した世代が一掃されたら
この国はまともになるかもしれないです

展示には略歴年表もありました

楳図かずお画伯は15歳でデビューしておられるのですが
その頃には手塚治虫にも「天才が現れた」と言われていたそうです

そこからダーーッと描き続けていて
なんと55歳ぐらいには、主要な作品が全てアウトプットされているのです

そういえば手塚治虫も含め
ベートーヴェンやレオナルドダビンチなど
天才は10代後半には自分の使命に目覚め
55歳か60歳ぐらいをピークにして
アウトプットし続ける傾向があり
これは偶然ではない気がします

ほかにも日本の漫画カルチャーなど
考えさせられたことが多く
もっといろいろ語りたいのですが
長くなりそうなので止めます

楳図先生には、一日も長生きしていただいて
同時代を生きれたこと
また素晴らしい作品を生み出してくださったことに
深く感謝したいと思いました

コメント